総合内科+心療内科、精神科 小笹医院(大船)院長 小笹秀樹のブログ

循環器内科、総合内科を経て精神科も開始しました。内科でも精神科でも原因を精査し原因となる事を解決していく事を重視した診療を行っています。

テレビに騙されない熱中症予防

夏の暑さが増すにつれテレビを見ると

熱中症予防にはこまめな水分補給と少量の塩分を摂取して下さい」

という話をされるケースが非常に多いと思います

 

そもそも熱中症とはどのようなものかを理解して頂ければ

対策への理解も深まると思います

 

熱中症とは熱によって起こる様々な不調の事で大きく3つの病態に分類されます

軽傷の方から熱けいれん、熱疲労、熱射病に分類されます。

 

熱けいれんとは

暑い中で大量の汗をかくことで汗の構成成分である水分と塩分をが体外へ失われます。この状況下で水分のみを補給する事で血液内の塩分の濃度が薄まってしまうためにけいれんや筋肉がつりやすくなってしまった状態です。体温は平熱のケースが多いです。対処方法としては涼しいところで休み、少量の塩分の入った水を飲むのが良いと思います。少量の塩分は分かりにくいと思いますが、汗の塩分含有量は細胞外液の10分の1程と言われており、1リットルの汗に対し塩分総質量は0.9g程度と考えられます。総質量を完全に補う必要はないので最大1リットルにつき0.9gの塩分までは摂っても過剰とまでは考えないというように捉えて頂ければ良いと思います。

 

熱疲労とは

暑い中で大量の汗をかくことで汗の構成成分である水分と塩分を喪失し脱水などの循環血漿量が低下した状態です。症状としてはめまい、ふらつき、筋力低下、吐き気などさまざまな症状が起こります。体温は平熱のケースが多いですが高熱は起こりにくいです。対処法は涼しいところで休み少量の塩分の入った水分を補給する事です。

 

熱射病とは

高温の環境により主に脳などの重要臓器が高温(45度以上)になるとタンパク質の変性(組織の変化)を来たし、体温調節が出来なくなり多臓器不全を来たし迅速な対応がなされなければ8割は死亡すると言われております。症状は発熱(40度以上のケースが多い)、めまい、ふらつき、脱力感などで高熱以上は特異的な症状が無いために気がつきにくいです。治療は一刻も早く39度まで低下させる事です。

つまり、熱中症で命に関わるの

 

は熱射病という事です。

 

熱中症はいずれにせよ、高温の環境で引き起こされますので、最大の予防は高温の環境を避けることです。特に直射日光は砂浜やアスファルトを60度とかまで熱する事が出来る事を考えると、頭を高温に上げることが出来る事もおわかりかと思います。気温は45度以上になる事はそうそう無い事を考えますと、直射日光を避ける事が最も熱中症予防に重要だと言うことがおわかりかと思います。

つまり、正しい熱中症対策は高温な環境を避ける事、特に直射日光を避ける事が圧倒的に重要で軽い熱中症予防のためには水分補給も重要、汗があまりにも大量にかいているようであれば塩分補給も少し検討しましょうという事です。

 

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